ストーリー
世界的大企業バーンズワース財閥の会長ハリーが、一人娘の花鹿にもちかけたのは「夫探しゲーム」。
カリブの孤島でのびのびと育った花鹿は、強烈な個性と魅力を放つ3人の男と出会い、惹かれあう。だが、その出会いは、花鹿をある国の王位継承をめぐる争いに巻き込んでいき・・・。
この作品の魅力・見どころ
とにかくキャラクターが個性的で、かっこいいです。みんなキラキラしています。財閥とか貴族とか王族とか、我々からすると日常からかけ離れた華やかな世界が舞台に、はらはらドキドキの展開が楽しめます。
【感想】それぞれの愛のかたちに涙が止まらず・・・。
花咲ける青少年は、学生時代の愛読書。ひさしぶりにアニメのほうで観ましたが、やはり良作でした。
物語は、花鹿にもちかけられた「夫探しゲーム」から始まります。お見合いとは違い、夫候補は偶然出会うよう仕向けられた相手。それでも、花鹿は彼らに気づき、惹かれていきますが、孤島育ちの14歳(登場時)である花鹿には「恋愛感情」がわかりません。「好き」と「恋愛としての好き」の区別がつかずに悩むのです。
逆に夫候補側は、何かしらのしがらみに捕らわれ、苦しんでいました。そんな彼らは人としてまっすぐに生きる花鹿という少女と出会い、変わっていきます。彼女に友情を感じ、愛情を感じていくようになります。
ですが、花鹿の夫となれるのは、たったひとり。一見、とても残酷なゲームなように思えます。誰かひとりが選ばれた時点で、ゲームオーバー、つまり失恋となってしまうのですから。否、失恋なんて言葉で片付けられるほど生ぬるいものではないでしょう。彼らは自らの人生をかけて花鹿を愛しているのですから。
中には、そんな彼らの気持ちを知ってか知らずか、誰とでも友達になろうとする花鹿に、誰も彼をも愛そうとする花鹿に「キレイごと」だと反感を覚える人もいるかもしれません。
ですが、40歳を過ぎた私には、友人になれないような相手に、愛情なんて持てないと思ってしまいます。どれほど魅力的な異性がいたとしても、人として尊敬できない相手に恋情を抱くのは難しいのです。
花鹿は夫候補たちを、自分を支えてくれる人たちを友人として愛します。その先に、たったひとつの「特別」を見つけたのは仕方のないことですし、すばらしいことだと思えるのです。
ところで、この作品は「いろいろな形の愛」について描かれています。男女の恋情だけでなく、肉親の愛、友情、尊敬、反発し合う愛・・・形はいろいろです。
その愛の形がどれも美しく、やさしく描かれていて、涙が出てきます。昔、心に抱いていた温かい気持ちがあふれてきました。
本作は「人を愛するとは」という根源的なテーマを王位継承・クーデターという大きな軸とからめて描かれており、たんなる恋愛マンガとして終わらないところが気に入っています。
恋キャラ紹介
【メロディ】本日6/5発売!
樹なつみ「花咲ける青少年 特別編」5巻!
スーパーHITロマンス、ついにグランドフィナーレ!立人編「STRAY SHEEP」を全編収録。花鹿と立人、2人の未来は…!?
こちらの表紙が目印です! pic.twitter.com/9fIbjyyLuS— 白泉社 (@Hakusensha) 2014年6月5日
本作では誰も彼もが魅力的ですが、恋キャラは倣立人(ファン・リーレン)です。これは、学生時代から揺るがない!
花鹿の兄的な立場でありながら、その正体は華僑の大財閥・倣家の若き総帥。一族を取り仕切るその凛とした姿に惚れ惚れしたものです。なのに、花鹿には超甘いというギャップがまた・・・!
本作の中で、たぶん一番強くて、弱いのが立人だと思います。
作品紹介
作品名 | 花咲ける青少年(全39話) |
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原作/原案 | 樹 なつみ |
製作年 | 2009年 |
おもなキャスト | 花鹿(かじか):遠藤 綾 立人(リーレン):森川智之 ユージィン:小野大輔 ルマティ:浪川大輔 カール:福山 潤 寅之介:柿原徹也 |
評価 | [評価] |