アニメレビューを中心とした個人ブログ。感想には一部ネタバレが含まれます。(旧:恋キャラ アニメレビュー)

劇場版「黒執事 Book of the Atlantic」(少しネタバレ)

2017年1月21日に公開された、劇場版「黒執事 Book of the Atlantic」を観てまいりました!
原作を読んだことはありませんが、とても見ごたえのある作品でした。


来場者特典のアニメ描き下ろしA5ピンナップ(小野大輔・坂本真綾プリントサイン入り)もいただいて、大満足です!
※配布期間 2017/1/21~1/27(なくなり次第終了)

ということで、忘れないうちに劇場版「黒執事 Book of the Atlantic」の感想を書いておきたいと思います。(多少ネタバレを含みます)

あらすじ

名門貴族のファントムハイヴ家は代々、女王の憂いを晴らすため、裏社会の汚れ仕事を始末する「女王の番犬」としての顔を持っていた。


ある日、死者蘇生のための人体実験の噂を耳にしたファントムハイヴ家の若き13歳の当主・シエル・ファントムハイヴは、その調査のため、執事セバスチャンとともに、豪華客船『カンパネラ号』へと乗り込む。

船上で秘密裏に行われる、秘密結社「アウローラ学会」の集会への潜入に成功した彼らを待ち受けていたのは・・・!?

【感想】パニックなのにどこか優雅。黒執事の世界観と奥深さ

まずは、作画について。

劇場版「黒執事 Book of the Atlantic」の作画はクオリティが高く、とてもきれいでした。美麗なセバスチャンと坊ちゃんを拝めて幸せです!

また、きれいなだけでなく、アクションシーンの臨場感、豪華客船のリアリティなど、演出にもかなり力が入っていて、アニメーションであることを忘れてしまうくらい没頭できました。

ストーリーは、ぶっちゃけてしまうと、スプラッタ映画とパニック映画の要素が絡み合う感じ。最後までハラハラ・ドキドキの連続です。

ブシュー!グシャ!っとスプラッタ感もなかなかのもので、客席に血しぶきが飛んでくるような演出には思わず腰が浮いてしまいました・・・(笑)

ホラー系は苦手な私ですが、セバスチャンやシエル、その他みんなの華麗なる活躍にただただ目を奪われていたので大丈夫。

それにスプラッタなのに、なんか優雅なんですよねえ・・・。イギリスだから? 貴族だから?(悪魔全開のセバスチャンはシエルにもうちょっと品よく敵を倒せないのかとたしなめられていましたが。。)

だけど、ちゃんとギャグもあって、場内からも笑いが漏れていました。この抜け感がいいんですよね。

フェニックスポーズはぜひ劇場で見ていただきたいです(笑)

作品に奥深さを与えたキャラクターたち

繰り返しになりますが、「黒執事 Book of the Atlantic」はスプラッタ映画であり、パニック映画です。だけど、それだけではありません。そこに本作の奥深さがあります。

例えば、エリザベス。

今回、シエルの従妹であり婚約者のエリザベスは、ある決意をするのですが、彼女なりのシエルへの愛情の深さに胸を打たれました。

エリザベスは14歳、シエルは13歳。ふたりが恋情によって結ばれているかは微妙ですが、もっと深くて強い愛があるのは確かです。そして、彼女の「女王の番犬」たるシエルを想う覚悟は、並大抵のものではありません。

正直、これまではエリザベスをただのワガママ貴族娘としか見ておらず、あまり好きではなかったのですが、本作で彼女の真実に触れて、大好きになりました!

そして、セバスチャンのシネマティック・レコード。

シネマティック・レコードというのは人生の記録ですが、悪魔のセバスチャンにもちゃんとありました(笑)

そしてそこに記録されていたのは、シエルとの契約から、これまでの日々。

ふたりははじめ、伯爵でも執事でもなくて、単に人間の子どもと悪魔でした。そんな彼らは並々ならぬ努力を経て、今のシエル・ファントムハイヴ伯爵とその執事セバスチャン・ミカエリスになったのです。その過程が丁寧に描かれることで、私たちは彼らの原点を知り、彼らのきずなに触れることができます。

だからこそ、エンディングに向かって、より気持ちが持っていかれるのです。

本作が単なるスプラッタ映画やパニック映画で終わらず、深く心に残る作品となった理由のひとつは、こうした魅力的な登場人物たちそれぞれの立場や生き方、信念を浮き彫りにしているからだと、そう思います。

そして、これは黒執事シリーズすべてに言えることなのですが、本作でも人の死について考えさせられます。

秘密結社「アウローラ学会」は、「死」は人間にとって最大の不健康だと考えていて、死者蘇生に手を出してしまいます。死者を蘇らせるなんて、とても浅はかで愚かなことなのですが、どんなに愚かなことでも、すがりたい人間だっているわけです。人は愚かなだけでなく弱いから。だって、大切なひとにはずっとそばにいてほしいじゃないですか。

だけど、やっぱり一度眠りについた人を起こすべきじゃない。

本作では、死して死なない人間の存在が、船上での悲劇を招くわけですが、彼らもまた被害者です。

自分の意思とは関係なく、自然の摂理から離れてしまう不幸。それを目の当たりにしたとき、死は死のままであるべきなんだと、あらためて感じました。

プロモーション動画

作品情報

【原作】枢やな(掲載 月刊「Gファンタジー」スクウェア・エニックス刊)
【監督】阿部記之
【キャラクターデザイン】芝美奈子
【キャスト】
セバスチャン・ミカエリス:小野大輔
シエル・ファントムハイヴ:坂本真綾
エリザベス・ミッドフォード:田村ゆかり
葬儀屋:諏訪部順一
グレル・サトクリフ:福山 潤
スネーク:寺島拓篤 他

劇場版「黒執事 Book of the Atlantic」公式サイト

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