「School Days」は、主人公が最低なクズ男という記事を見かけて興味を持ちました。
調べてみたら、Gooランキングでも堂々の第3位。(参考:アニメ史上最もクズだと思う主人公ランキング)
しかもこのクズ男。まだ高校生じゃないですか。
何をどうしたら高校生でクズ男なんて呼ばれるのか・・・と興味津々だったのですが、本当にクズだったし、「School Days」という作品自体が「!!?」(衝撃的すぎて言葉にならない)な作品でした。
ラストのネタバレは控えていますが、若干ネタバレも含まれているのでご注意ください。
ピュアラブだった伊藤誠の豹変
毎日同じ電車に乗ってくる隣のクラスの女子・桂言葉(かつらことのは)を遠くから見つめる伊藤誠。
「好きな人の写真を待ち受けにして3週間、誰にもバレなかったら恋が成就する」
そんなおまじないをバカバカしいと思いながらも、隠し撮った言葉の写真を待ち受けにする誠でしたが、初日から隣の席の西園寺世界(さいおんじせかい)に見られてしまいます。
待ち受けをのぞき見してしまったお詫びにと、世界が誠と言葉の仲を取り持ち、ふたりは付き合い始めることになります。
…と、ここまでは、普通の高校生の青春恋愛ストーリーですよね。
のちにクズ男となる誠も、この頃はピュアピュアで、言葉と話をするだけで緊張し、言葉の失敗作の手料理もがんばって完食する男気も見せてくれます。どこにでもいそうな、ごく普通の、恋する男子です。
なのに、言葉と付き合い始めてからは一転、性急にコトを進め過ぎようとして誠は暴走していきます。
もしかしたら、初めての恋人に浮かれているのかもしれません。もちろん、恋人への接し方に不慣れということもあるかと思います。
だけど、誠を見ていると、相手のために頑張って失敗するというより、自分の欲求を相手に押し付けているだけ。
付き合ったとたん、「優しい」少年は豹変してしまったのです。
あげく、なかなか自分の思い通りにならない言葉をめんどうに感じ、気心知れて、エッチもさせてくれる世界との肉欲(生々しいな…)にのめり込んでいってしまうのです。ほんと最低だな。。
ずるずる
百歩譲って、どうしても世界のことが好きになってしまった…というのなら、いいです。それはそれで仕方ありません。
だけど、誠は、言葉に別れを切り出さないんです。イラーーーっ。
言葉は着信拒否をされても、まわりから誠と世界が付き合い始めたと聞いても、「誠の彼女は自分」だと信じ続けています。世界は世界で、言葉ではなく、自分を選んで欲しいと切に願っています。
誠のあいまいな態度がどれほど彼女たちを傷つけているのか、誠は気にしようともしません。
世界は、言葉にちゃんと話すべきだと誠に言いますが、誠は「怒られるよ」って・・・。そりゃ怒られることしているのだから、怒られますよ。
怒られる覚悟もないような男が二股かけるなよ、と強く言いたい。
そのくせ、ほかの女子から誘われれば、それが世界の友人だろうと誰だろうと次から次へと手を出していく誠。本当に最低最悪です。

怒りしかない!
誠も誠だけど女子も最悪
相手を思いやることをせず、相手を傷つけ、ただ快楽に流される誠は最低です。
誠ははじめはたしかに恋をしていました。だけど、恋をするより、快楽に身をゆだねてしまったほうが楽だということに気づいてしまった結果、クズ男になってしまった。
そりゃ、恋愛って結構大変ですよ。けど、高校生のうちからめんどくさがってどうするって思ってしまいます。まあ、だからクズ男なのでしょうけど。
だけど、世界やほかの誠に言い寄る女子はどうなのでしょう?
たとえば、世界。
ふたりの仲を取り持った世界ですが、ふたりの関係にほころびが見えたとき、ここがチャンスとばかりに、その隙をついたのも世界です。なかなか体を許そうとしない言葉にいら立つ誠を、練習と称して篭絡してしまいます。
なのに、言葉と別れず、ほかの女子たちともよろしくやっている誠に世界は絶望していくのです。
だけどそれは当然のこと。
だって、言葉と付き合っている誠が世界と関係を持ったということは、世界と付き合ったとしても世界だけを見てくれるわけじゃないってことなんです。
そこが読めないのは若さゆえなのか、盲目的な恋だからなのか。
いずれにしても、「School Days」は高校生の青春ラブストーリーでは断じてない。昼ドラ枠です。



と思ったら、原作はオーバーフローの同名のアダルトゲームでした・・・!!
「School Days」はラストが読めない
「School Days」はとんだ青春ラブストーリー(?)です。
言ってみれば、高校生の三角関係。(実際はもっと乱れていますが)
中盤からは、これは最後どうなるんだろう。どうすればハッピーエンドになるんだろう。と考えていました。
普通であれば、クズ男・誠が、ちゃんとひとりを選ぶことなのでしょうが、もしそれができているのなら、「クズだと思うランキング」には入っていないはず。
誠に精神をめちゃくちゃにされた言葉は目がうつろだし、ほがらかだった世界も様子がおかしくなっていきます。そしてそんなヒロインふたりを尻目に、誠は好き放題。
個人的には、言葉がとにかく色々とかわいそうだったので、誠と幸せになってほしかったのですが・・・。
まったく読めなかった三人の恋(?)の結末は、私の想像の斜め上をいくものでした。インパクトありすぎで、なかなか忘れられそうにもありません。。
総評:イラっとするけど展開はおもしろかった
「School Days」は序盤のピュアラブが嘘だと思うくらいに、恋愛模様が変わっていきます。(誠にいたっては、恋愛というか、快楽にのみ支配されていますが…。)
誠も最低ですが、世界は別として、なんとなくの流れで誠と関係を持っていく女子たちも、どうだかな~という気持ちになりました。
本作で唯一、「純愛」を貫いたのは言葉です。
誠に裏切られても、誠を信じて、待ち続けました。終盤、目がうつろでしたが、誠のことが本当に好きだったのだと思います。本当に誠にはもったいない彼女です。
ほとんどはイラーーっとしながら見ていましたが、展開が気になるという点ではおもしろい作品でした!
「School Days」作品情報
最後に、アニメ「School Days」が見れるおもなVOD配信サイトをご紹介します。(2021/5/15時点の情報です)
作品名 | School Days |
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原作/原案 | オーバーフロー |
製作年 | 2007年 |
おもなキャスト | 伊藤 誠:平川大輔 桂 言葉:岡嶋妙 西園寺世界:河原木志穂 |
評価 | [評価] |