「School Days」は、主人公が最低なクズ男という記事を見かけて興味を持った作品。
調べてみたら、Gooランキングでも堂々の第3位だった。(参考:アニメ史上最もクズだと思う主人公ランキング)
しかもこのクズ男。まだ高校生である。
何をどうしたら高校生でクズ男なんて呼ばれるのか・・・に興味があって見始めたのだが、本当にクズだったし、「School Days」という作品自体が「!!?」(衝撃的すぎて言葉にならない)な作品だった。
こんな方におススメ!

おススメ度:★★★☆☆
む、難しい・・・。クズ男にも、それに群がる女子にも引くので。ただ、高校生の青春ストーリーとは到底言い難い展開と、衝撃のラストには手に汗握るものがあった。
「School Days(スクールデイズ)」あらすじ
毎日同じ電車に乗ってくる隣のクラスの女子・桂言葉(かつらことのは)を遠くから見つめる伊藤誠。
「好きな人の写真を待ち受けにして3週間、誰にもバレなかったら恋が成就する」
そんなおまじないをバカバカしいと思いながらも、隠し撮った言葉の写真を待ち受けにする誠だったが、初日から隣の席の西園寺世界(さいおんじせかい)に見られてしまう。
待ち受けをのぞき見してしまったお詫びにと、世界は誠と言葉を応援すべくふたりの仲を取り持つ。



ここからネタバレ!
ピュアラブだった伊藤誠の豹変
世界の取り持ちがあり、誠と言葉は付き合うことに。
のちにクズ男となる誠も、付き合い始めのこの頃はピュアピュアで、言葉と話をするだけで緊張し、言葉の失敗作の手料理もがんばって完食する男気も見せてくれる。どこにでもいそうな、ごく普通の、恋する男子だ。
誠と言葉、ちょっとこそばゆいような初々しい恋模様が描かれる。王道と言えば王道な青春ラブストーリーである。
しかし、「School Days」はここからおかしな展開になっていく。
言葉と付き合い始めてからは一転、誠は性急にコトを進め過ぎようとして暴走し始める。初めての恋人に浮かれているのかもしれないし、恋人への接し方に不慣れということもあるだろう。
だが、誠を見ていると、相手のために頑張って失敗するというより、自分の欲求を相手に押し付けているだけ。
付き合ったとたん、「優しい」少年は豹変してしまったのだ。
あげく、なかなか自分の思い通りにならない言葉をめんどうに感じ、気心知れて、エッチもさせてくれる世界との肉欲(生々しいな…)にのめり込んでいってしまう。
ほんと最低だな。。
ずるずる
百歩譲って、どうしても世界のことが好きになってしまった…というのなら、まだいい。それはそれで仕方がない。正直に言葉に話して、世界と付き合えばいい。
なのに誠は、言葉を避けるばかりで、別れは切り出さないのだ。イラーーーっ。
言葉は着信拒否をされても、まわりから誠と世界が付き合い始めたと聞いても、「誠の彼女は自分」だと信じ続ける。絶望的なほどに、誠を信じている。
世界は世界で、自分を選んで欲しいと切に願っている。
誠のあいまいな態度がどれほど彼女たちを傷つけているのか、誠は気にしようともしない。
世界は、言葉にちゃんと話すべきだと誠に言うが、誠は「怒られるよ」って・・・。そりゃ怒られることしているのだから、怒られるだろう。
怒られる覚悟もないような男が二股かけるなよ、と強く言いたい。
そのくせ、ほかの女子から誘われれば、それが世界の友人だろうと誰だろうと次から次へと手を出していく誠。本当に最低最悪である。



怒りしかない!
誠も誠だけど女子も最悪
相手を思いやることをせず、相手を傷つけ、ただ快楽に流される誠は間違いなく最低だ。
誠は、はじめはたしかに恋をしていた。だけど、恋をするより、快楽に身をゆだねてしまったほうが楽だということに気づいてしまった結果、クズ男になってしまった。
そりゃ、恋愛って結構大変ですよ。けど、高校生のうちからめんどくさがってどうするって思ってしまう。まあ、だからクズ男なのでしょうけど。
だけど、世界やほかの誠に言い寄る女子はどうなのだろう?
たとえば、世界。
ふたりの仲を取り持った世界だったが、ふたりの関係にほころびが見えたとき、ここがチャンスとばかりに、その隙をついたのも世界だ。なかなか体を許そうとしない言葉にいら立つ誠を、練習と称して篭絡してしまうのだから。
なのに、言葉と別れず、ほかの女子たちともよろしくやっている誠に世界は絶望していく。
だけどそれは当然のこと。
だって、言葉と付き合っている誠が世界と関係を持ったということは、世界と付き合ったとしても世界だけを見てくれるわけじゃないってことなのだ。
そこが読めないのは若さゆえなのか、盲目的な恋だからなのか。
いずれにしても、「School Days」は高校生の青春ラブストーリーでは断じてない。昼ドラ枠だ。



と思ったら、原作はオーバーフローの同名のアダルトゲームでした・・・!!
「School Days」はラストが読めない
「School Days」はとんだ青春ラブストーリー(?)だ。
言ってみれば、高校生の三角関係。(実際はもっと乱れている)
中盤からは、これは最後どうなるんだろう。どうすればハッピーエンドになるんだろう。とハラハラし通しだった。
普通であれば、クズ男・誠が、ちゃんとひとりを選ぶことなのだろうが、もしそれができているのなら、「クズだと思うランキング」には入っていないはず。
誠に精神をめちゃくちゃにされた言葉は目がうつろだし、ほがらかだった世界も様子がおかしくなっていく。みんな誠に翻弄され、病んでいくのだ。
そしてそんなヒロインふたりを尻目に、誠は好き放題。やりたい放題。
まったく読めなかった3人の恋(?)の結末は、私の想像の斜め上をいくものだった。インパクトありすぎで、なかなか忘れられそうにもない。
ここは完全なネタバレになるので、気になる方は、アニメで確認してほしい。
イラっとするけど展開はおもしろかった
「School Days」は序盤のピュアラブが嘘だと思うくらいに、恋愛模様が変わっていった(誠にいたっては、恋愛というか、快楽にのみ支配されている)
誠も最低だったが、世界は別として、なんとなくの流れで誠と関係を持っていく女子たちも、どうだかな~と思う。
本作で唯一、「純愛」を貫いたのは言葉だ。
誠に裏切られても、誠を信じて、待ち続けていた。終盤、目がうつろで危うかったが、誠のことが本当に好きだったのだと思う。本当に誠にはもったいない彼女だ。
ほとんどはイラーーっとしながら見ていたが、展開が気になるという点ではおもしろい作品だった。